「聞いたことある」から「信頼して買う」までのブランド心理学

ブランドマーケティングにおいて欠かせない概念である「ブランドエクイティ」「ブランドアウェアネス(認知)」「ブランドリコグニション(認識)」。これらはそれぞれ顧客の記憶・信頼・感情に関わる重要な要素です。本記事では、それぞれの定義と違い、そして代表的な事例をご紹介します。


ブランドエクイティ(Brand Equity)とは?

ブランドが持つ「価値」や「強み」を指す概念で、顧客がそのブランドに対して抱く信頼感や好意、そしてプレミアム価格への納得度に影響します。ブランドエクイティが高いほど、顧客はそのブランドを選びやすくなり、競合よりも高価格でも受け入れる傾向があります。

実例

  • ソニー:革新性と高性能というブランドイメージを軸に、多分野での成功を実現。
  • SUBARU:安心感、走行性能、四輪駆動技術への信頼がブランドエクイティを支える。
  • 任天堂:マリオなどの強力なIPと革新的ハード技術によって長期的なファンを獲得。

ブランドアウェアネス(Brand Awareness)とは?

顧客がそのブランドを「知っている」状態のことを指します。ブランド名を聞いて思い出せる、ロゴを見て知っているなど、まずは認識の入口となる段階です。

実例

  • コカ・コーラ:全世界でトップレベルのブランド認知を誇る清涼飲料。
  • Google:検索といえばGoogle、と連想されるほどの知名度。
  • テスラ:EVの代表的ブランドとして、短期間で高い認知を獲得。

ブランドリコグニション(Brand Recognition)とは?

顧客がロゴやスローガンなどの視覚・聴覚的要素を見たり聞いたりしたとき、瞬時にそのブランドを思い出せる状態です。単なる「知っている」から一歩進んで、「連想できる」段階になります。

実例

  • マクドナルド:「ゴールデンアーチ」を見ればすぐに思い出すお馴染みのファストフード。
  • アディダス:「スリーストライプス」ロゴだけでブランドが識別可能。
  • フェラーリ:「跳ね馬」のエンブレムが高級・スピード・伝統を直感的に伝える。

✅ この3つの違いを整理すると…

項目意味顧客の状態
ブランドエクイティブランドに対する価値・信頼「買いたい」「選びたい」
ブランドアウェアネスブランドを知っている「名前は聞いたことある」
ブランドリコグニション識別要素で連想できる「ロゴを見たらすぐわかる」