ブランドは、1500年代の古ノルド語「焼印(brander)」が語源とされており、家畜に所有権の印として焼印が付けられていました。それから、家畜だけでなくワイン樽などの生産品にも焼印を目印に付ける習慣が根付いていき、焼印(ブランド)は所有権のほかに産地や品質の保証にも使われるようになっていきました。
ブランドとは、消費者が企業や商品に抱くイメージのことであり、期待そのもののことです。消費者が抱くブランドイメージに一貫性を持たせることができれば、消費者の期待は高まり、他ブランドを選ばずに自社ブランドを選んでもらえる確率が⾼まります。
それでは、ブランドイメージに一貫性を生み出すためには何が必要となってくるのでしょうか?その仕組みについて解説していきたいと思います。
企業のマーケティング活動の中心は、消費者が真に解決したい不満・不便・不安・不都合・不快感を解決する自社の便益や独自性をどのような場面で、どんな形のコミュニケーションで伝えていけば、ターゲットの意識や行動を変えていけるかを考えることにあります。
ブランドイメージを先に定義しているか否かに関わらず、コミュニケーションの蓄積の中で、企業や商品ロゴなど、文脈の外からでもそのブランドと紐づけられるブランドアイコンが消費者に認知されていきます。また、その過程において消費者がイメージするブランドイメージ像もできあがっていくというわけです。
分かりやすくゲーム業界を例に考えてみましょう。
Nintendoのゲームは、スーパーマリオやゼルダの伝説、ポケモン(発売当初)など、幼児~小学校低学年を中心に人気があります。これらの商品が蓄積したブランドイメージは、学校や親が、なんの不安もなく子どもに遊ばせられる圧倒的安心感に繋がっています。
SEGAは、セガサターンやドリキャスなどの独自ハードウェアを展開し、ソフトウェアにおいてもエネミーゼロやダイナマイト刑事、龍が如くなど中高生や大人に好まれる独自路線を突き進んできました。これらの施策やゲームが蓄積したブランドイメージは、迎合しない硬派な一匹狼といったところでしょう。
このようにNintendoらしいとかSEGAらしいといったブランドイメージが確立できれば、ロイヤルユーザー(ファン)を獲得することができます。ブランドに対する期待とはファンとの約束そのものであり、これを裏切ることはブランドイメージの毀損につながります。自社のブランドイメージに一貫性はありますか?