テレビCM認知を「プロダクト認知」に変換する4つの打ち手
CM認知=プロダクト認知ではないという現実は、意外と見落とされがちです。
CMを見てもらうだけでは、商品は「知ってもらった」ことにならない。
では、どうすればCM認知をプロダクト認知に転換することができるのでしょうか?
ここでは、マーケティング現場ですぐに活用できる4つの施策を紹介します。
クリエイティブ設計:「誰が」「何を」伝えるかを明確にする
まずCMクリエイティブそのものにおける情報の解像度が最重要です。
- 商品名・サービス名を繰り返し伝える
例)15秒CMのうち3回は商品名を口にする、パッケージをしっかり映す。 - 商品の便益(ベネフィット)を一言で言い切る
例)「この一杯で1日分の野菜!」のように、記憶に残るフレーズを使用。 - ブランドロゴやパッケージのビジュアルを強調する
例)ラストカットで大きくロゴと商品を印象付ける。
CM視聴後に「あれって何の商品だったっけ?」となってしまうのは、プロダクト認知に繋がりにくい典型例です。
接触頻度とメディアミックス:1回のCMだけで済ませない
CMを単発で打つだけでは記憶は定着しません。
CM認知からプロダクト認知へ橋渡しするためには、複数メディアで繰り返し接触させることが必要です。
- テレビ×デジタルの連動
例)CM放映期間中に、YouTube・Instagram広告でも同じクリエイティブを配信。 - 店頭・ECでの連携
例)CMと同じビジュアルをPOPやECバナーに活用し、購入時に「あ、CMのやつだ」と認識させる。 - OOH(交通広告)との掛け合わせ
例)駅ポスターやタクシー広告により、生活動線上でも同じメッセージを目にする。
これによりCMが“通りすがりの情報”から“記憶に残る情報”に変わっていきます。
体験・口コミの導線を用意する:関与を深める
認知が「知っている」にとどまらず「気になる」「試したい」に進むためには、
実際に体験する導線や第三者の声が不可欠です。
- サンプリングや試用機会を用意する
例)CM放映と連動して、店頭で無料試飲・体験キャンペーンを実施。 - SNSキャンペーンやUGC(ユーザー生成コンテンツ)を活用する
例)CM視聴をきっかけに「#CMみたよキャンペーン」で投稿促進。 - 口コミサイトやレビューコンテンツで補完する
例)CMで気になった層が検索した時に、好意的なレビューが上位表示されるよう整備する。
接触から購買までの情報の階段を滑らかに設計することが大切です。
■ 4|商品購入後のリマインドとリピート施策
プロダクト認知の定着は購入して終わりではありません。
むしろ、購入後にもう一度「この商品=このCMのやつ」と結びつけることが、ロイヤルティに繋がります。
- パッケージや同梱物でCMの世界観を再提示する
例)CMと同じキャラクターやキャッチコピーをパッケージ・リーフレットに採用。 - 購入者向けのSNS広告やメールで再タッチする
例)「あの商品、使ってみていかがですか?」とリマインド広告を配信。 - 次回購入インセンティブを設ける
例)「次回もCM記念キャンペーン中!」とリピートを促す。
認知→試用→再認知→リピート
このサイクルが回って初めて、CMが売上に貢献する好循環が生まれるのです。
CMのその先へ、「プロダクト認知設計」の視点を持とう
テレビCMは、依然として強力なメディアです。
しかし、「CMを見せる=商品を知ってもらう」と考えるのは、もはや危険な時代です。
- クリエイティブで「商品・便益・ブランド」を明確にする
- メディアミックスで記憶の定着を促す
- 体験と口コミで関与を深める
- 購入後も再認知とリピート施策を怠らない
この4つのポイントを押さえることで、CM投資は**「単なる認知」ではなく「商品を選ばせる力」**へと進化します。
CMは打っただけでは終わらない。
その先の“認知設計”こそが、マーケターの腕の見せ所なのです。