心をつかむコピーって。

INTRODUCTION

コピーライティングの本質

コピーライティングというのは、“言葉遊び”の競技ではありません。 かっこつけた文章を披露して腕前を見せるための技でもありません。

本質はただひとつ。商業活動の中で、相手に「目的の何か」をきちんと 届けるための言葉。それができて、初めてコピーと呼べます。

PRINCIPLE

ひとりに向けた言葉が、多くの人に届く

コピーのコツは、大勢に向けてぼんやり手を振らないこと。 街を歩く“誰かひとり”の顔を思い浮かべながら、 心の中で「どうですか、実際のところ?」と会話してみることです。

不思議なもので、ひとりに向けた言葉ほど、多くの人に刺さります。 高倉健の「不器用ですから。」はその象徴です。一言で人物像が立ち上がり、 多くの人に届きました。コピーとは、人の内側にある風景を、 一瞬で描ける言葉なのです。

ATTITUDE

自分が“消費者”であることを忘れない

もうひとつ大事なのは、自分自身が消費者であることを忘れない姿勢です。 広告を見たとき、自分がどう反応するかを必ず見る。

「なるほど」と膝を打つのか。「何を言ってるんだ」と白けるのか。 自分で書いたコピーすら、同じ視点でテストするべきです。 建前だけのコピーは、自分で読んでもすぐにバレます。

INSIGHT

“気になる”を突ける言葉が強い

たとえば夕方の女性向け広告。

×「夕方になるとクマが出る」
×「夕方の女性を笑顔にしたい」
──これは広告主の都合を言っているだけです。

〇「夕方の私、何歳に見えてるだろう」
〇「36歳の私が夕方40.4歳になっていたなんて」
──これは消費者の“本当に気になること”を突いている。

コピーはまず、ここに刺さないといけません。

PATTERNS

強いコピーには「型」がある

優れたコピーは、ほぼ必ずどれかの型に当てはまっています。

● 数字で信じさせる
「91.3%が役に立った」──数字は一瞬で信頼を生みます。

● “なんで?”をつくる
言い切りや逆説は、人の好奇心を動かします。

● インサイトを代弁する
「亭主元気で留守がいい」はその痛快な代表です。

● ターゲットを絞る
「35歳からの友だちのつくりかた」。焦点が一気に合います。

● 世界観が“一言”で立ち上がる
「No Music, No Life.」「そうだ 京都、行こう。」 一行でブランドの世界が見える。これはもう芸術の精度です。

ESSENCE

人は「そうそう、それ!」で動く

最終的に、人を動かすのは論理ではなく、 心のどこかにある“そうそう、それ!”という共感点です。

コピーは、相手の心に波紋を立てて初めて意味を持つ。 理性にも、煩悩にも、同時に届いたとき、人は立ち止まってくれます。

コピーとは、言葉で心をつかみにいく格闘技です。 一撃が決まれば広告は武器になる。 そして武器が磨かれれば、ビジネスは確実に前へ進みます。