マーケティングの世界では「ドリルを売るのではない、穴を売れ」という有名な話があります。ホームセンターにドリルを買いに来た顧客は、ドリルそのものが欲しいのではなく穴を開けたいのだ、それならばキリだっていいではないかという示唆があるわけです。さらに一歩踏み込んで「なぜ、顧客は穴を開けたいのか?」を考える必要があります。

顧客がコートのハンガー掛けるためのフックを壁につけたいと考えていたとします。では、なぜフックを壁につけたいのかと考えているのでしょうか?すぐに取れる玄関にコートを掛けたいと考えていることが分かりました。では、なぜ玄関にコートをかけたいと考えているのでしょうか?コートを忘れ、取りに戻る経験は一度でたくさんだという本音があることが分かりました。

目的は玄関に服を掛けることですから、スタンド型のコート掛けも選択肢に含まれるでしょう。しかし、実際は、玄関にコート掛けを置けるスペースがないのかもしれませんし、コートを掛けるためのフックをすでに用意してしまっているのかもしれません。

ここまで顧客を理解しなければ、顧客にとってドリルが持つ便益を発揮できるか分からないわけです。ここまできてはじめてドリルを選ばずにはいられない理由が顧客に生まれます。ここからは、競合他社のドリルとの独自性の勝負になります。その勝負に打ち勝ってはじめて自社のドリルを購入してもらえるというわけです。

このように、顧客を知ってはじめて、自社の商品やサービスが顧客にとってどのようにお役に立てるものなのか、他の商品やサービスと比べてどのような独自性を発揮できるのかが理解できるのです。

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