『なんとなく広告』から卒業しよう。マーケファネルが見せる施策の地図

顧客が「ブランドを知り」「興味を持ち」「購入し」「人にすすめる」までの流れを、戦略的にデザインするのが“マーケティングファネル”です。この記事では、各フェーズごとに有効な広告チャネルと施策を体系的に整理し、KPI(評価指標)や実施タイミングまで網羅的に解説します。


1. マーケティングファネルとは?

マーケティングファネルとは、顧客の意思決定プロセスを段階化したモデルです。
主に以下の4段階に分かれます:

  • 認知(Awareness):ブランドや商品を「知る」
  • 関心(Interest):興味を持ち「調べる」
  • 購買(Purchase):意思決定し「買う」
  • 推奨(Advocacy):満足して「人に薦める」

ファネルの各ステージに応じて、適切な広告施策を打つことで、効率よく見込み顧客を獲得・育成できます。


2. ファネル段階別:主な広告チャネルと施策一覧

【認知フェーズ】…「まず知ってもらう」

目的:ターゲットにブランドの存在を知らせる

  • テレビ・新聞・ラジオなどのマス広告
     → 大規模リーチに最適。ただし費用は高め。
  • 交通広告や屋外看板(OOH)
     → 日常生活の中で繰り返し接触。エリア認知に効果的。
  • SNS広告(Instagram、TikTokなど)
     → 精度の高いターゲティングと、短期での話題化に◎。
  • YouTubeやTikTok動画広告
     → ブランドストーリーや印象づけに適した手法。
  • インフルエンサー起用
     → 信頼性と波及力が強く、新商品のプロモにも有効。
  • 広報・PR
     → メディア露出による信頼性ある認知拡大。

主なKPI:リーチ数、広告想起率、CTR(クリック率)など
頻度目安:季節キャンペーンや新商品発売に合わせた年数回が一般的


【関心フェーズ】…「もっと知りたくなる」

目的:ブランドへの理解を深めてもらう

  • SEO/コンテンツマーケティング
     → ブログやお役立ち記事で検索流入&信頼構築。
  • リスティング広告
     → 「○○ 比較」「○○ 評判」などで広告表示。
  • 資料DLやメール登録の誘導(リード獲得)
     → ホワイトペーパーや無料テンプレートを提供。
  • ステップメールやニュースレター
     → 定期的に有益情報を届け、検討度をUP。
  • ウェビナーや展示会
     → 双方向の情報提供でエンゲージメントを深める。
  • SNS運用(オーガニック投稿)
     → フォロワーとの日常的な接点強化。
  • リターゲティング広告
     → サイト訪問者に再アプローチして再訪を促す。

主なKPI:滞在時間、DL数、リード獲得数、メール開封率など
頻度目安:週次・月次での定常運用が理想


【購買フェーズ】…「最後のひと押し」

目的:購入までの決断を後押しする

  • 商用キーワード広告(例:「○○ 価格」)
     → 今すぐ買いたい人に向けてピンポイント出稿。
  • ランディングページ最適化(CRO)
     → 離脱を防ぎ、スムーズな購入体験へ。
  • クーポンや期間限定キャンペーン
     → 今すぐ買わないと損、という心理を活用。
  • バンドル販売・記念モデル
     → 「限定感」が即時購買を刺激。
  • アフィリエイト広告
     → 成果報酬型なので費用対効果が高い。
  • 営業担当によるフォロー(BtoB向け)
     → 最終的な意思決定を促す重要なタッチポイント。

主なKPI:CVR、CPA、ROAS、売上額など
頻度目安:常時運用+キャンペーン型の組み合わせが理想


【推奨フェーズ】…「ファンが新規顧客を連れてくる」

目的:顧客ロイヤルティ向上と口コミによる新規獲得

  • ロイヤルティプログラム(会員制度)
     → ポイント付与やランクアップ特典で継続利用促進。
  • アフターフォロー・CS(カスタマーサクセス)
     → メールやガイド送付などで満足度を維持。
  • レビュー・口コミ依頼
     → 実際の声は信頼獲得に絶大な効果。
  • 紹介プログラム(リファラル)
     → 顧客が“広告塔”に。紹介者にも特典を。
  • ファンコミュニティの育成
     → ブランドとの絆を深め、自発的な発信を後押し。

主なKPI:NPS、LTV、リピート率、紹介経由CV数など
頻度目安:常設+四半期ごとの特典強化などで活性化


3. まとめ:ファネル全体を設計し、PDCAで運用改善を

広告チャネルは「点」ではなく「線」で設計するのがカギです。認知から推奨まで一貫したコミュニケーションを構築し、定期的に効果検証(KPI分析・A/Bテスト・アトリビューション分析など)を行いながら、最適なチャネル配分と予算設計をしていきましょう。