ビジネスに必要なのはマーケティング力!成功をつかむための解説書

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競争に勝つためには、マーケティング力を高めることは不可欠ですね!

しかし、どのようなマーケティング手法を用いるべきか、戦略を立てるべきか、分からない方も多いのではないでしょうか?

今回は、ビジネスに必要なマーケティング力を身につけるための解説書をお届けします。

~マーケティングとは何か?~

経営学者のピーター・ドラッカーは、「マーケティングの理想は、販売(営業)を不要にするものである」と言っています。

つまり、顧客に「買ってください」と売り込まなくても、商品が「売れる仕組み」をつくることがマーケティングであるということですね!

マーケティングにおいて最重要なのは、「WHO」と「WHAT」です。

「WHO」は、どんな人に商品やサービスを購入してもらいたいかであり、「WHAT」は、どのような価値を持った商品やサービスを提供するかということです。

これらの最重要事項が抜け落ちていると、施策において的外れで無駄な打ち手が増えてしまいます

この章のまとめ

マーケティングの最重要事項は以下…
❶ WHO: どんな人に商品やサービスを購入してもらいたいか
❷ WHAT: どのような価値(便益+独自性)を持った商品やサービスを提供するか

WHOを考える

あなたは、どんな人に自社の商品やサービスを購入してもらいたいと思っていますか?

既存ビジネスで考えるのであれば、自社商品やサービスに何らかの便益や独自性を感じているロイヤルカスタマーがそれに当たるでしょう。

新規ビジネスで考えるのであれば、ロイヤルカスタマーになっていただける人がどんな人で、どのような価値に便益と独自性を感じていただけるかの仮説を立てておく必要があります。

WHOを考えるうえで陥りがちなのが、最大公約数的な人物像を想像して、結局誰にも刺さらない施策を実施してしまうことです。

そうならないために、たった1人の具体的な「WHO」に焦点を合わせる必要があります。

たった1人に焦点を合わせるのは不安かもしれないですが、それは決して1人ではなく、その背後に大なり小なり同じパターンの顧客層が存在するものなのです。

そして、そのパターンは決してひとつではなく、複数存在することがあり、自社でも気づかない便益や独自性があったりします。

ただし、感じていただける便益や独自性は過去の延長ではなく刻々と変化するものです。

だからこそ、定期的にWHOをチューニングすることはとても大切なことなのです。

この章のまとめ

「WHO」を考える上での最重要事項は以下…
❶ たった1人の具体的な「WHO」に焦点を合わせること
❷ たった1人が複数パターンあることを心得ること
❸ 感じる便益や独自性は刻々と変化するものであること

インサイトを考察する

マーケティングにおけるインサイトとは、消費者が商品やサービスに便益や独自性を感じた背景や動機を指します。

ただし、インサイトが通常の背景や動機と異なるのは、消費者自身が無意識のうちに持っているものであることが大きなポイントとなります。

どのような「場面」「要因」「背景」で、無意識に良いと感じたり、嫌だと感じたかを考察する必要があります。

場面…どんな状況・状態において気持ちが生まれるか
要因…何がその気持ちを生み出しているのか
背景…気持ちを生み出している社会状況や生活環境

この章のまとめ

インサイトを考える上での最重要事項は以下…
❶ インサイトは便益や独自性を感じた無意識の背景や動機のこと
❷ 良いと感じたり、嫌だと感じる「場面」「要因」「背景」を考察する

価値を定義する

自社ブランドが持つ価値とは、便益と独自性のことであり、それらについて以下に詳しく説明していきます。

便益について

「便益」は、具体的な利益や利便性をもたらす「買う理由」のことです。

分かりやすく言えば、ダイエット中の人に対して、低カロリーの商品は便益になりうるでしょう。

便益は、掘り下げていけば、「人間が持つ欲求を満たすものである」と言えます。

独自性について

「独自性」は、自社ブランドだけが満たすことのできる唯一無二の価値のことです

あらゆる商品やサービスの中から1つを選び出さなければいけない時、他の選択肢や競合商品を買わない・選ばない理由が必要であるということです。

便益と独自性を定義する方法

実際には、便益が充分に伝えられていなかったり、独自性が明確でないことが多くあるのです。

だからこそ、自社ブランドの持つ価値(便益+独自性)を明確にしておく必要があります。

便益を考える上での8つポイントを以下にまとめておきます!

1.価格
2.品質の高さ
3.利便性(スピードの速さ、在庫切れなし)
4.サービスの充実(アドバイスとサポート)
5.カスタマイズ性の高さ
6.保証の充実度(長期、広範囲)
7.ラインナップの広さ
8.専門性

続いて、独自性を考える上での4つのポイントを以下にご紹介します。

1.ユニークで個性的であること:
独自性はその言葉のとおり、ほかの人が簡単に真似できない価値でなくてはいけません。商品やサービス自体の独自性や機能の高さにおいてユニークさを実現するのは簡単ではないと思われるかもしれません。しかし、市場のニーズは絶えず変化し、それに合った新しいサービスは常に求められています。例えば、QBハウスは既存の美容院・理容店に存在する充実したサービスを取り除くというアプローチでユニークさを実現しています。

2.複数の考え方を掛け合わせること:
1つの考えに固執せずに、複数の考えを掛け合わせることで、新たな価値が生まれることがあります。組み合わせは「同じ性質」「性質を補うもの」「真逆や異質」などのパターンで考えるとよいです。

3.明確なターゲットを設定し、対象分野での専門性を売りにすること:
狭い市場のなかで、専門性を活かすことが独自性になります。消費者や発注する側の心理としては、自分が抱えている問題の解決に特化している専門家を選びたいものだからです。

4.商品の機能の高さは独自性ではない
技術開発に力を入れている場合は、自社商品の持つ優れた品質・機能が独自性であると考えてしまいがちです。しかし、たとえどんなに優れた品質でも、消費者にとって価値あることと認識されなければ、独自性にはなり得ません。

この章のまとめ

自社ブランドの価値は以下で決まる…
❶ 便益:具体的な利益や利便性をもたらす(買う・選ぶ理由)
❷ 独自性:唯一無二であること(他の選択肢や競合を買わない・選ばない理由)