目標が組織を動かす――MBOで実現する成果の最大化
MBO(Management by Objectives)は「目標管理」と訳される、ピーター・ドラッカーが提唱したマネジメント手法です。会社全体の目標をもとに、部門・個人レベルの目標を設定して、組織全体で一体となって成果を上げることを目指します。上からの指示ではなく、社員自身が目標設定に関わることで、自発的な行動と成果につながるのが特徴です。
MBOの基本ステップ
- 組織目標の設定
経営陣が会社全体の目標を決めます。 - 部門目標の設定
組織目標をもとに、各部署ごとの目標を設定します。 - 個人目標の設定
部門目標を参考に、社員と上司が話し合いながら個人の目標を決めます。 - 目標の実行
各自が自分の目標に向けて仕事を進めます。 - 進捗の確認と評価
定期的に進み具合を確認し、必要に応じて目標や取り組みを見直します。
MBOのメリット
- やる気が高まる
自分で決めた目標だから、達成に向けて前向きになれます。 - 会社への貢献が実感できる
自分の仕事が組織全体にどう役立つかが分かりやすくなります。 - 上司との対話が増える
目標設定や進捗の話し合いを通して、コミュニケーションが活発になります。 - 評価がわかりやすい
目標に対してどうだったかで評価されるため、納得感が得られます。 - 自分で管理する力がつく
目標を達成するために、自分で計画を立てて進める力が養われます。
MBOがマーケティングにもたらす影響
MBOはマーケティング活動にも応用できます。
目標を明確にすることで、チーム全体の方向性が定まり、成果も測りやすくなります。
- 目標が具体的になる
例:「半年でブランド認知度を20%上げる」など、はっきりした数値目標が立てやすくなります。 - チームのやる気アップ
メンバーが自分で目標を決めることで、モチベーションも上がります。 - 無駄な施策が減る
目標に直結しない活動を減らし、効果的な施策に集中できます。 - ROIの確認ができる
目標と結果を比べることで、投資対効果がわかり、改善につながります。 - 顧客重視の姿勢が強まる
目標設定の段階で顧客ニーズを意識するようになります。
マーケティングでのMBOの例
- 新製品でシェア10%を獲得
→ KPI:月の販売数、広告のリーチ、Web訪問数、顧客満足度など - ブランド認知度を半年で20%アップ
→ KPI:SNSフォロワー数、Webアクセス数、アンケートでの認知度など - 既存顧客のリピート率を15%改善
→ KPI:リピート購入率、LTV(顧客生涯価値)、満足度調査など