目標が組織を動かす――MBOで実現する成果の最大化

MBO(Management by Objectives)は「目標管理」と訳される、ピーター・ドラッカーが提唱したマネジメント手法です。会社全体の目標をもとに、部門・個人レベルの目標を設定して、組織全体で一体となって成果を上げることを目指します。上からの指示ではなく、社員自身が目標設定に関わることで、自発的な行動と成果につながるのが特徴です。


MBOの基本ステップ

  1. 組織目標の設定
     経営陣が会社全体の目標を決めます。
  2. 部門目標の設定
     組織目標をもとに、各部署ごとの目標を設定します。
  3. 個人目標の設定
     部門目標を参考に、社員と上司が話し合いながら個人の目標を決めます。
  4. 目標の実行
     各自が自分の目標に向けて仕事を進めます。
  5. 進捗の確認と評価
     定期的に進み具合を確認し、必要に応じて目標や取り組みを見直します。

MBOのメリット

  • やる気が高まる
     自分で決めた目標だから、達成に向けて前向きになれます。
  • 会社への貢献が実感できる
     自分の仕事が組織全体にどう役立つかが分かりやすくなります。
  • 上司との対話が増える
     目標設定や進捗の話し合いを通して、コミュニケーションが活発になります。
  • 評価がわかりやすい
     目標に対してどうだったかで評価されるため、納得感が得られます。
  • 自分で管理する力がつく
     目標を達成するために、自分で計画を立てて進める力が養われます。

MBOがマーケティングにもたらす影響

MBOはマーケティング活動にも応用できます。
目標を明確にすることで、チーム全体の方向性が定まり、成果も測りやすくなります。

  • 目標が具体的になる
     例:「半年でブランド認知度を20%上げる」など、はっきりした数値目標が立てやすくなります。
  • チームのやる気アップ
     メンバーが自分で目標を決めることで、モチベーションも上がります。
  • 無駄な施策が減る
     目標に直結しない活動を減らし、効果的な施策に集中できます。
  • ROIの確認ができる
     目標と結果を比べることで、投資対効果がわかり、改善につながります。
  • 顧客重視の姿勢が強まる
     目標設定の段階で顧客ニーズを意識するようになります。

マーケティングでのMBOの例

  • 新製品でシェア10%を獲得
     → KPI:月の販売数、広告のリーチ、Web訪問数、顧客満足度など
  • ブランド認知度を半年で20%アップ
     → KPI:SNSフォロワー数、Webアクセス数、アンケートでの認知度など
  • 既存顧客のリピート率を15%改善
     → KPI:リピート購入率、LTV(顧客生涯価値)、満足度調査など