めまぐるしく変化する経営環境のなかで生き残り、持続的な成長を実現していくためには、新たなビジネス展開への挑戦が欠かせません。
そして、新たなビジネス展開には、一貫した戦略を構築するためのフレームワークやスキルが必要です。
この記事では、企業研修で取り上げられる、新たなビジネス展開に必要なフレームワークやスキルを紹介していきます。企業の未来を創造する力を手に入れる第一歩として、ぜひお読みください。
現状を分析する

新たなビジネス展開を成功させるには、まず、現状を分析する必要があります。PEST分析でマクロな環境を分析し、SWOT分析で企業を取り巻く内外のミクロな環境を分析するとよいでしょう。
|PEST分析|
Politics 政治的・法律的要因、Economics 経済的要因、Society 社会・文化的要因、Technology 技術的要因
|SWOT分析|
Strength 強み、Weakness 弱み、Opportunities 機会、Threats 脅威
アイデアを生み出す

ラテラルシンキングを使った独創的なアイデア発想法、既存技術の転換を考える改善的なアイデア発想法があります。マーケティングでは、「顧客はドリルが欲しいのではない、穴が欲しいのだ」という教えがあります。つまり、穴を開けるためのドリルの購入以外にも「穴あけサービス」「ドリルレンタル」「強力両面テープ」など、既存技術を転換することで見えてくる解決法があるわけです。
マーケティングについて

マーケティングは、大きいところから小さいところへいく逆三角形をイメージすることが大切です。壮大なビジョンに対して、プロジェクトごとの目的が存在し、目的達成に向けた目標に細分化されます。目的は、シンプルかつ明確で、測定可能かつ達成可能で、期限が明確である必要があります。
次に、顧客を明確に定義し、顧客が気づいてさえいないインサイトを洞察することが大切です。このインサイトに対して、自社商品やサービスが持つ便益と独自性が突き刺されば、買わずにはいられない選ばずにはいられないという衝動が生まれます。
そして、便益と独自性を突き刺すために、広告や販売促進、人的販売、広報などの手段を通じてプロモーションを行っていきます。
戦略立案

戦略とは、目的達成のための資源利用の指針です。資源が無限にあれば、目的達成に向けて何をどれだけやっても構いませんが、人材や時間などの資源には限りがあるので、戦略を組み立ててから実行に移す必要があります。
目的と目標を定義し、顧客とインサイトを洞察する。自社の商品やサービスの便益や独自性をどのような手段を使って顧客に伝えていくかの全体戦略を立てます。そして、顧客の頭の中に自社ブランドのらしさを認識してもらうためのタッチポイント(顧客接点)を設計することも重要になります。
行動計画

戦略を間違えると、行動も的外れなものになり、結局戦略の見直しに立ち返ることになります。限られた時間の中で新たなビジネス展開をしていくためには、無駄撃ちやゼロベースの見直しは絶対に避けたいところです。
しかし、綿密な戦略を立てても、実行なくしては成果は生まれません。だからこそ、目的に対する目標を細分化し、期限を明確にして達成していく実行力が必要になります。
日によって違う自分のメンタルや体調に合わせて心の調整をし、ベストな行動を取ることで、効力予期(ある結果を生み出すために必要とされる行動を、自分自身が上手に実行できると確信すること)を高めることも大切です。