弱者が強者を食うための勝ち筋とは?

フライドチキンでなく、ケンタッキーを食べたいと思う人は多いでしょう。フライドチキンという商品名ではなく、ケンタッキーというブランド名=フライドチキンという構図が出来上がっているからです。この時、ケンタッキーは他のフライドチキン商品と戦っているのではなく、ハンバーガーや牛丼など他のカテゴリーとの戦いのフェーズに移っています。

この段階に移行した会社は、カテゴリーにおける圧倒的強者になっています。

印刷会社サービスを提供するラクスルは、市場に参入した当初、すでにネット印刷というカテゴリーで規模も知名度も圧倒的に先行している競合他社がいました。そこで、ネット印刷というカテゴリーで戦うのではなく、チラシ印刷という狭い市場を選んで戦いました。この戦略が功を奏し、チラシ印刷を代表する企業から、ネット印刷を代表する企業に成長を遂げました。

その結果、現在はもう「ネット印刷しますか、WEBページを制作しますか」という、これまでとは違う検索行動との戦いになりました。一段上のリーグへと市場が移り変わったのです。

挑戦者であるスタートアップはこの道筋を目指すべきですし、追われる側の企業はこの道筋を防ぐことが戦略の最優先事項になるでしょう。

※田部 正樹. ブランド力を高める「指名検索」マーケティング 顧客の検索行動を決める、動画広告の活かしかた