実は、私たちは無意識の欲求によって商品選択を左右されています。
この記事では、そんな無意識の欲求が商品選択に与える影響について探っていきます。
そして、日本マクドナルドがサラダマックに失敗した、その教訓とは何だったのか、一緒に考えていきましょう。
【この記事の内容】
1.顧客の無意識
2.なぜサラダマックは失敗したのか?
3.まとめ
顧客の無意識

人はどのような理由で買うモノを選択しているのでしょうか?
多くの人は、品質や効能よく吟味して、より良いモノを選択していると思うはずです。
しかし、本当にそうでしょうか?
たとえばあなたが、お気に入りのお茶(130円)を買いに行ったとします。
まったく知らないブランドのお茶が、100円で売られていたとしたらどうしますか…?あなたは、迷わずお気に入りのお茶を買いますか?
では、お気に入りのお茶がそのコンビニになかった場合はどうでしょう?わざわざ別のコンビニまで行ってそのお茶を買いますか?
「わざわざ別のコンビニまで行くほどでもないな」、「やっぱり100円のお茶でもいいかな」と、多くの人は思うのではないでしょうか?
つまり、人は日常生活でひとつひとつの商品の中身をいちいち吟味して買ってはいないのです。
「このお茶も安いけど、やっぱりいつものにしよう」「いつものがいいけど、やっぱり安いのでいいかな」そんな、無意識でモノを買っていたりするわけです。
この「やっぱり」というあいまいな理由で、モノを買ったり買わなかったりする人が、全国レベルで何百万人といるということです。
そう考えると、売り手は「顧客の無意識」を無視はできないはずです。
米カリフォルニア大学バークレー校 A.K・プラディープ博士は、彼の著書の中で、脳の情報処理の最大95%は「潜在意識」が行っていると言っています。
潜在意識とは無意識の本能的欲求であり、本人も意識していない、無意識下の行動や本音のことを言います。
だからこそ「あなたの本音は何ですか?」と聞いたところで本能的欲求を見つけ出すことはできません。
本能的欲求とはあくまで洞察するものであり、本音を聞き出そうとしたところで、答えられるようなものではないのです。
❶ 人は日常生活で商品の中身をいちいち吟味して買ってはいない
❷ 無意識の本能的欲求で人はモノを買っている
❸ 本能的欲求は聞き出そうとしたところで、答えられるようなものではない
なぜサラダマックは失敗したのか?

かつて、マクドナルドが消費者調査をした結果、「ヘルシーなものが食べたい」という回答が多数ありました。
そこで、サラダを中心としたメニューを開発するものの、まったく売れずに大失敗してしまいました。
それはなぜでしょうか?
実は、消費者の本能的欲求が「脂っこいジューシーな肉が入ったバーガーに食らいつきたいという背徳感」にあったからです。
たまにはあと先考えず、いまを楽しみたい、そんな本能的欲求を満たすところがマクドナルドであったということです。
❶ 消費者調査に基づいて開発したサラダマックは大失敗した
❷ 消費者の本能的欲求は脂っこいバーガーに食らいつきたいというものだった
まとめ
今は、良い商品を作ったからといって、売れる保証はどこにもありません。
それではなぜ、これからは本能的欲求の時代であるのかと言えば、「大体良いんじゃないですか時代」がやってきたからだと言われています。
物質的に豊かになった時代において、大体良いんじゃないと思えるモノが溢れる時代になったのです。
つまり、商品は人間の本能的欲求を満たすものでなければならないということなのです。