佐藤卓
1. Daily
日常
佐藤卓のデザイン思想は、「日常」に深く根差しています。彼は、デザインの力を特別な芸術作品ではなく、日々の生活の中で無意識に触れる製品や情報の中にこそ見出しました。コピーライターの佐々木宏と共に「デザインの解剖」プロジェクトを手掛けるなど、身近な製品の成り立ちや機能を分析し、本質的な美しさを引き出すことを重視しています。
2. Unconscious
無意識
彼のデザインは、消費者が「意識しない」レベルで受け入れられることを目指します。過度な主張や目新しさを排し、製品が生活の中に自然に溶け込むことを重視しました。例えば、「明治おいしい牛乳」のパッケージデザインは、牛乳パックという既存の形態の中で、鮮度と品質を伝えるための簡潔で普遍的な視覚言語を追求した好例です。
3. Communication
機能
佐藤のデザインは、機能性を極めて重視した「機能的伝達」を旨としています。パッケージデザインにおいては、中身の鮮度、味、情報を、最も正確かつ直感的に伝えるための最適な形状、色彩、タイポグラフィを追求します。彼にとってデザインとは、商品を伝えるための最も合理的な装置であると言えます。
4. Analysis
解剖
彼のクリエイティブ・プロセスは、徹底的な「解剖的分析」から始まります。デザイン対象の歴史、製法、機能、市場を深く掘り下げ、「なぜその形であるのか」という根源的な問いを立てます。この分析を通じて、デザインの最も本質的な部分を抽出し、それを簡潔な視覚表現へと再構築します。
5. Education
教育
彼は、デザインが持つ教育的な役割にも深く関与しています。NHK Eテレの番組「デザインあ」の総合指導を務めるなど、デザイン的な思考法や物事の見方を、子供から大人まで広く伝える活動を行っています。これは、デザインを専門家だけのものにせず、人々の生活や思考の質を高めるツールとして広く社会に定着させたいという思想に基づいています。



