“検索されないと始まらない”時代のウェブ集客術

初期のウェブサイトマーケティング

Yahoo!やGoogleといった検索エンジンが誕生する以前、ウェブサイトマーケティングは主に「訪問者数の増加」と「ブランド認知度の向上」を目的として展開されていました。検索エンジンに依存しない形で、直接的にウェブサイトへのアクセスを促す方法に重点が置かれていたのです。

この時代の主な手法は、オフライン広告との連携やEメール、バナー広告などを活用したものでした。テレビや新聞、雑誌などのメディアにウェブサイトのURLを掲載して告知する方法が一般的で、Eメールアドレスを収集してニュースレターを配信することも広く行われていました。さらに、他のウェブサイトにバナー広告を掲載して、キャンペーン情報や新商品ページへの誘導も行っていました。

これらの方法は、デジタルとオフラインをまたいだハイブリッドなアプローチであり、検索エンジン登場以前の主流なウェブ集客手段だったのです。

活用事例:

  • 自動車メーカーのオフライン広告:テレビCMや新聞広告に自社サイトのURLを明記し、詳細情報の取得や予約申込みをウェブへ誘導。
  • ファッション小売のEメール戦略:新作情報や限定割引を記載したニュースレターを顧客に配信し、ウェブサイトへのアクセスを促進。

検索エンジンマーケティング(SEM)

概要と目的

YahooやGoogleなどの検索エンジンが登場すると、検索を入り口としたマーケティング手法が急速に普及しました。検索エンジンマーケティング(SEM)は、検索結果ページ(SERP)での露出を高めて、ユーザーをウェブサイトへ誘導する戦略です。

SEMは大きく分けて、SEO(検索エンジン最適化)と、PPC(ペイ・パー・クリック)広告に分類されます。特にPPC広告では、ユーザーが検索したキーワードに応じて広告が表示され、クリックされると課金される仕組みとなっています。

企業は、製品やサービスに関連した検索ワードで広告を出稿し、検索行動に基づいた「今、興味がある」ユーザーにリーチすることで、効率的な集客と高いROIを実現します。

主な手法と特徴

  • PPC広告(Google AdWordsなど):検索結果の上部に広告が表示され、クリックされることで費用が発生。ターゲットを絞った広告展開が可能です。
  • リマーケティング広告:過去にウェブサイトを訪問したが購入に至らなかったユーザーに対し、別のサイト閲覧時に広告を表示して再訪問を促します。
  • 地域ターゲティング:地元のレストランや小売店が、地域名や地元キーワードで検索するユーザーに向けて広告を表示し、来店や予約に誘導します。

活用事例:

  • 旅行代理店のリマーケティング:訪問者が予約せずに離脱した場合、再び旅行パッケージの広告を表示して再訪問を促進。
  • 地域レストランの検索連動型広告:Google広告を使って「○○駅 ランチ」などの検索に連動し、店舗の広告を表示。地元の新規顧客の獲得に貢献。