一倉宏
1. Life-Scale
人生観
一倉宏のコピー思想は、商品やサービスを個人の「人生の物語」という大きな文脈の中で捉え直すことにあります。コピーを日常的な消費行動から引き上げ、愛、別れ、時間、成長といった普遍的な人生観と結びつけることで、メッセージに永続的な価値を与えました。
2. Quietness
静謐
彼のコピーは、派手な言葉や強い主張ではなく、静かで内省的なトーンを特徴とします。丁寧で穏やかな言葉選びを通じて、生活者の心の奥にそっと語りかけます。この静謐さが、広告に深みと信頼感をもたらしています。
3. Empathy
寄り添い
一倉のコピーは、生活者の微細な感情に寄り添う姿勢を重視しています。「恋をしましょう。」(大人の休日倶楽部)のように、ターゲットの心情を優しく肯定する表現によって、深い共感を呼び起こします。日常の小さな発見や揺れを正確に言語化する、その静かな力が魅力です。
4. Distance
距離感
彼のコピーには、商品と顧客の間に心地よい「距離感」があります。押しつけがましくもなく、冷たくもない、「そっと隣にいる」ような佇まいです。この距離感が、読者自身の解釈や感情の余白を残し、メッセージを個人的な体験へと昇華させます。
5. Memory
記憶
一倉宏は、特に「旅」をテーマにしたコピーで、記憶や時間をモチーフとして多用しました。「その時の、空を、覚えている。」(ANA)のように、旅がもたらす感情的体験と、それが心に残す鮮烈な記憶に焦点を当てています。商品を人生を彩る大切な要素として描き出す、静かな強さを持った表現です。
Copy Collection
- 私は、ドライではありません。(サントリー・モルツ)
- ハタチを過ぎたら21。(サントリー・ライト&スムースウイスキー 21)
- 科学では説明できないことだけど、それが大人の味というものです。(サントリー・オールド)
- アカレゼルブ、シロレゼルブ、ロゼレゼルブ。(サントリー・レゼルブ)
- 今日はウチ メシ ワインの日。(サントリー・レゼルブ)
- 君は何才まで、一緒に入ってくれるだろうか。(東京ガス・お風呂の日)
- ぼくは、おとこどうしで、はいりたいから、はやくかえってきてください。(同上)
- 20世紀のおみやげに。光と音のウォークマン。(SONY・ウォークマン)
- 憲法第二十二条には「職業選択の自由」と書いてある。(学生援護会・サリダ)
- あなたから、幸せになってください。(岩田屋)
- ごめん。もう、本命しか、いらない。(パルコ)
- けれども、君は永遠じゃない。(同上)
- エンディングまで、泣くんじゃない。(任天堂・MOTHER)
- 合言葉は、ダイジョウブカ? 21世紀大丈夫化計画。(三菱電機)
- 愛してる人と、ピーしてる。(アステル東京)
- 消せない男。(JT・セブンスター・ボックス)
- SILENT SMOKE.(JT・セブンスター・ボックス)
- 愛に雪、恋を白。(JR東日本)
- ウイスキーがカッコよくなくて、何がカッコいいんだ。(サントリー・リザーブ10年)
- ウイスキーをオヤジと言ったのは誰だ。(同上)
- ウイスキーを古く言うあんたが古いぜ。(同上)
- imageする会社。(FUJI FILM)
- 20世紀に、何を見ましたか。21世紀に、何を見たいですか。(SHARP)
- さあ、液晶世紀へ。(同上)
- リビングは、環境です。(同上)
- いい空は青い。(ANA)
- ライバルだった、友だちは。(資生堂・IN & ON)
