“なんとなく良さそう”じゃ売れない!起業家必見・商品に信頼を生む伝え方

なぜ「根拠」がないと売れないのか?
マーケティングの世界では、商品のメリットを提示するだけでは、消費者の心は動きません。必要なのは、そのメリットを「なぜ信じていいのか?」という根拠──つまりRTB(Reason To Believe)です。人は自分の判断に確信を持ちたい生き物。不確実性を避け、納得感のある選択をしたい。だからこそ、どんなに魅力的なメリットであっても、それを裏付ける根拠がなければ、購入という行動にはつながらないのです。
「効きそう」には、理由がある。
たとえば、「この栄養ドリンクを飲むとヤル気が出る」という情緒的メリット。この訴求に対して、
- 「疲労回復・栄養補給に役立つ」機能的メリット
- 「タウリン1000mg配合」「集中力の維持に効果あり」といった製品特徴
──このように段階的に根拠を示すことで、消費者は「効きそうだ」と納得できるようになります。つまり、情緒 → 機能 → 科学的特徴という構造で語ることが、信頼される商品づくりの基本です。
ブランドは「夢」の根拠にもなれる
一方で、根拠を超えた価値提供に注力するブランドも存在します。たとえば「翼をさずける」のキャッチフレーズで有名なエナジードリンク。この商品は、「集中力が高まる」「パフォーマンスが上がる」といった機能的側面よりも、“なりたい自分になれる”というイメージ訴求を重視しています。
このようにブランドは、自己表現の手段としても機能し、「自分はこういう人間でありたい」という情緒的なニーズに応える存在となるのです。
売れるブランドは、機能と感情を両立している
現代のマーケティングにおいて成功の鍵は、
- 信じるに足る根拠(RTB)を提示すること
- そのうえで、情緒や自己表現に応えるブランド体験を提供すること
この2つのバランスにあります。
単なる説明では終わらず、「だから欲しくなる」「これこそ自分に合っている」と思わせること。
それが、機能×感情のハイブリッド戦略です。
実務へのヒント
中小企業やスタートアップが自社商品・サービスを伝える際には、以下を意識してみてください。
✅「メリット」を語る前に、それを信じてもらうための根拠を提示する
✅ 機能性をしっかり説明しつつ、感情や理想の未来像にも語りかける
✅ 「信じられる」と「共感できる」を両立するメッセージ設計を行う
最後に:信じられ、共感されるブランドへ
根拠だけでは「納得」はされても「好き」にはなりません。共感だけでは「いいね」で終わり、購入には至りません。
信じられ、共感されるブランドこそが、選ばれ続けるブランドです。
あなたの商品やサービスが、その“理由ある選択”になっていますか?